デフレスパイラルの悪癖

今日は ある大金持ちのお客さんとリフォームの打ち合わせを。
既存建物に 古い木製ドアがありました。よく見ると1枚物のケヤキ板を使い、昔の職人さんの手作りのドアです。少々傷はありますが、変形も少なくリペアすれば 十分使えそうです。今現在 このドア
を特注製作すれば、黙っていても30万〜50万はするような製品です。
既存建物も かなりの豪邸で 至る所ふんだんに豪華な材料が見え隠れします。ケヤキのこんなに大きな一枚板は なかなか見る機会もありません。
私:「このドア再利用しようと思うのですが。どうでしょうか」
施主さん: 「だめだ。私は金は払うんだ。新品にやり換えてほしい」
私:「今、これと同じ物を製作すれば、何十万もかかってしまいます。リペアの方が安く出来ます」
施主さん:「金はかかってもいい。新品にしてください」
と、こんなやり取りが。。。
この数年の間の 建築デフレスパイラスを生きてきた私は、自然に 「工事費が安くなるアイデアを出すことが良い事」という風に 勤めていたのです。このお施主さんには、返って失礼になりました。
この数年 建築設計士は施主さんにとって 「工事費 値切り代行業」 見たいな立場になることもあり、私もそれに慣れてしまっていました。
これまでの、不景気の中での工事積算・契約は、
「どうせ 値切られるんだから、見積もりは値切り代を含んで、ちょっと大目の金額にしておこう。目の前で何十万円か 値引きする方が お客さんも喜ぶだろう」 なんて発想でやっていました。
私も知らず知らずの内に お客さんと腹の探りあいの中での 契約・工事となっていたのですね。
こういったお施主さんの方が、私としては身が引き締まる感じです。「利益は与えるから、いい仕事をしなさい」 と暗に言っておられるようなものです。
今回 私が提出した見積もりは 一切の無駄・上乗せ金額もなく、正直な数字を提出しまして 値切られることも無く一発契約となりました。信頼関係での工事契約を結んだのです。
ドアは 例え100万円かかっても、満足感が出るような物にしなければなぁ。と、今は考えています。
今日は大型スチールドアの取り付けしました
今、工場の増改築をやっていまして、今日は待ちに待った、大型スチール引き戸の取り付けの日でした。これは施工図を何回かチェックして、正式発注して製作に入り、納期がそれで1ヶ月もかかるという、100万円以上する代物です。
大手有名メーカーの製作で、多くの工場に取り付けられています。全体の工程は、このドアの納期に合わせて調整をしており、この7月31日を目標にあらゆる工事が進められていたのです。
10tトラックが現場に入り、資材が搬入されます。現場が狭い為、取付位置には人員を6人用意して手作業で搬入します。1枚が4.0m×5.0mの大きな鉄板です。おみこしでも担ぐように一斉に声を掛けて 搬入されました。
さあ、商品を開封し取付作業の開始!となった所で、問題発生です。
商品がまったく正反対に製作されていました。設計・現場は外から見て右に引く形でされていたのですが、納品された物が左に引くドアになっています。鍵の位置、扉の表裏が正反対。。。。
こういった特殊ドアでは日本最大手のメーカーでも、こういったミスがあるのですね。。最大手のメーカーといっても、おそらく実際に作っているのは 認定指名された小さな町工場。施工図も承認図も右引きなのに、どこかで勘違いが起こったみたいです。
私は、こういったケース 職人さんや担当営業マンを怒鳴り散らしたりは まったくしません。怒鳴った所で ドアに魔法がかかって直ってしまう事はありえませんから。
すぐに、連絡をとり、別の製品を発注しなおし 最速で納品するように依頼をしました。ただ、この後私は、発注者である工場のオーナーに平謝りし、怒鳴り怒られることになりました。
「工場に商品を納める日にちは決まっているんだぞ!ドアが無くて鍵が閉められないとはどういうことだ!」 まさに、その通り。怒られて当然です。私の責任では無いとはいえ、総責任者は私なわけですから 施主さんの怒りを受けなければなりません。
納品された間違いのドアは、あまりにも巨大な為、返品も効かず、現場でばらばらに解体し、スクラップ処分となりました。せっかく製作したドアが一瞬でスクラップです。
メーカーにとっても、このミスは負担なんです。職人さんも今日1日は仕事になりませんでした。100万円のドアを作り変えると言うことは、製品原価が どうやっても100万円は超えるでしょうから 赤字です。
私にも 怒りの気持ちはありますが、「オーナーに対する責任は私が負うから、君達は次の納期を出来るだけ早くし、しかもいい製品を製作してくれ。もし赤字なら少しは補填してやる」という、気持ちです。
スクラップ処分される時の、搬出写真です。
ブログでは いい事言っていますが、私の内心は トホホなんです。


大手有名メーカーの製作で、多くの工場に取り付けられています。全体の工程は、このドアの納期に合わせて調整をしており、この7月31日を目標にあらゆる工事が進められていたのです。
10tトラックが現場に入り、資材が搬入されます。現場が狭い為、取付位置には人員を6人用意して手作業で搬入します。1枚が4.0m×5.0mの大きな鉄板です。おみこしでも担ぐように一斉に声を掛けて 搬入されました。
さあ、商品を開封し取付作業の開始!となった所で、問題発生です。
商品がまったく正反対に製作されていました。設計・現場は外から見て右に引く形でされていたのですが、納品された物が左に引くドアになっています。鍵の位置、扉の表裏が正反対。。。。
こういった特殊ドアでは日本最大手のメーカーでも、こういったミスがあるのですね。。最大手のメーカーといっても、おそらく実際に作っているのは 認定指名された小さな町工場。施工図も承認図も右引きなのに、どこかで勘違いが起こったみたいです。
私は、こういったケース 職人さんや担当営業マンを怒鳴り散らしたりは まったくしません。怒鳴った所で ドアに魔法がかかって直ってしまう事はありえませんから。
すぐに、連絡をとり、別の製品を発注しなおし 最速で納品するように依頼をしました。ただ、この後私は、発注者である工場のオーナーに平謝りし、怒鳴り怒られることになりました。
「工場に商品を納める日にちは決まっているんだぞ!ドアが無くて鍵が閉められないとはどういうことだ!」 まさに、その通り。怒られて当然です。私の責任では無いとはいえ、総責任者は私なわけですから 施主さんの怒りを受けなければなりません。
納品された間違いのドアは、あまりにも巨大な為、返品も効かず、現場でばらばらに解体し、スクラップ処分となりました。せっかく製作したドアが一瞬でスクラップです。
メーカーにとっても、このミスは負担なんです。職人さんも今日1日は仕事になりませんでした。100万円のドアを作り変えると言うことは、製品原価が どうやっても100万円は超えるでしょうから 赤字です。
私にも 怒りの気持ちはありますが、「オーナーに対する責任は私が負うから、君達は次の納期を出来るだけ早くし、しかもいい製品を製作してくれ。もし赤字なら少しは補填してやる」という、気持ちです。
スクラップ処分される時の、搬出写真です。
ブログでは いい事言っていますが、私の内心は トホホなんです。

今後の売れ筋住宅は

これが2004年の日本の人口分布です。今2008年なので4年スライドさせなければなりません。
これを眺めながら、売れ筋の建築行為は、何なんだろう?ちょっと考えましたが、私が思うに、ずばり、2世帯住宅ですね。
本来なら多くの企業は60歳定年ですが 多くの人は65歳まではなんとか、、、といろんな形で働いていると思われます。個人年金なども65歳開始という保険も多いですね。この2−3年の間に、団塊世代が完全定年を迎えて 退職金・個人貯蓄が動き出します。
団塊ジュニアは 当然団塊の世代の方々の子供達なわけですが、2008年の段階で概ね35歳前後となります。住宅で30年ローンを組むなら もう限界の年齢です。
親の退職金を頭金に、30年ローンを組む という形は間違いなく増えるはずです。
ただし、昨今の社会保障の問題、年金問題、不景気があって 親の財布の紐が厳しくなっています。子供の住宅の頭金へ使うより、自分の老後に取って置きたい と考えるのが普通です。医療・介護の進歩とともに、65歳だといっても、まだまだ10年20年という先の人生が残っているのです。
団塊の世代は、直前より急激に人口が増えています。それ以前にも2世帯住宅はありましたが、この2−3年の間は2世帯住宅が一気に増えてくると予想します。
また繰り返しになると思いますが、今後30歳35歳を向え、30年ローンを組んで新築住宅を必要とする世代、団塊ジュニア以降の世代は、少子化で緩やかに人口が減ってきます。
この世代は、親も団塊の世代の後の時代です。親自身も人口が少ないですね。
社会全体として、年金も退職金も貯金も少ない世代、動くお金が少ない世代です。
飲食業・床屋さん・車・洋服・家電、携帯電話、不動産、もちろん建築も、全てにおいて 売り上げは減少せざるを得ない時代に突入することになります。
もう、多くの企業が、この問題を見据えて いろんな対策をはじめているようですね。
ビスの普及
最近、建築工事で大工さんはあまり、釘を使わなくなりました。ビス・接着剤が普及して、家を建てるという一連の作業が大きく変わってきています。
最近の住宅は、構造材はプレカット専門工場で 加工します。

大工さんは墨付け・加工をすることも無くなりました。だからノミもカンナも 使う回数も減りました。
接着剤も多様化・強力化が進み、下手に釘で止めるより丈夫に止まりますし、釘では作業も難しいところでも、電動ドリルとビスなら丈夫に止まります。
建物を使う人にとっては、各部分の1つ1つが、強固に固定されている事はよいことですし、大工さんの作業が楽になることは、工事費が安くなること・工期が短くなることに結びつきます。よい事尽くめですね。
大工さんにとっても、何年も修行しないでも、すぐに仕事を覚えられますし 木材の加工場など必要なくなるので、ハコバン1台と携帯電話さえあれば独立開業も簡単です。職人さんの人員不足も解消されるでしょう。
いいこと尽くめなのですが、やはり建築という仕事上、「技術を未来へ継承する」という 意味合いにおいては、よいことばかりではありません。器具・道具の進歩の中で、技術力が後退しては意味が無いと、考えています。
設計者として、技術の継承という願いもあって、私の設計する建物には 小舞土壁を塗って見たり、真壁にしてみたり、プレカットでは加工できない木構造としてみたり いろいろ模索してやっています。
最近の住宅は、構造材はプレカット専門工場で 加工します。

大工さんは墨付け・加工をすることも無くなりました。だからノミもカンナも 使う回数も減りました。
接着剤も多様化・強力化が進み、下手に釘で止めるより丈夫に止まりますし、釘では作業も難しいところでも、電動ドリルとビスなら丈夫に止まります。
建物を使う人にとっては、各部分の1つ1つが、強固に固定されている事はよいことですし、大工さんの作業が楽になることは、工事費が安くなること・工期が短くなることに結びつきます。よい事尽くめですね。
大工さんにとっても、何年も修行しないでも、すぐに仕事を覚えられますし 木材の加工場など必要なくなるので、ハコバン1台と携帯電話さえあれば独立開業も簡単です。職人さんの人員不足も解消されるでしょう。
いいこと尽くめなのですが、やはり建築という仕事上、「技術を未来へ継承する」という 意味合いにおいては、よいことばかりではありません。器具・道具の進歩の中で、技術力が後退しては意味が無いと、考えています。
設計者として、技術の継承という願いもあって、私の設計する建物には 小舞土壁を塗って見たり、真壁にしてみたり、プレカットでは加工できない木構造としてみたり いろいろ模索してやっています。


